1. 物件からの収入を確認する。
  2. 支出を確認する。
  3. 純営業収益(NOI)を計算する。
  4. 期待利回りと評価額を計算する。
  5. ローンの支払額とあなたの利益(キャッシユ・オン・キャッシユ)を計算する。

この5つのステップを使って物件の初期のキャッシュフローを算出し、オファ一価格を決定している。そのために、分析の段階で、ローンの支払いを含む支出に関連するすべてのものと、収入に関連するすべてのものを調べる。その結果、物件の損益について鮮明な全体像を描くことができ、オファーを出す用意ができる。

次のように考えると、このプロセスの重要性がわかるだろう。投資信託を買うとき、過去の運用実績を調べずに買うだろうか。年利率も知らずに個人年金第に加入するだろうか。おそらくそんなことはない。しかしなぜ、不動産となると、自分の投資に対するリターンがいくらぐらいになるのか、妥当な予測もせずに買ってしまうのだろうか。不動産投資では、投資に対するリターンは「キャッシュ・オン・キャッシュ」とも呼ばれるが、これは、純キャッシュフローを頭金に対するパーセンテージで表したものだ。

例えば、ある物件について100,000ドルの頭金を支払い、その物件から1か月に1,000ドルの収入があるなら、キャッシュ・オン・キャッシュは年間12パーセントということになる。そんなに悪い話ではない。しかし、同じ物件が月に500ドルしかもたらさないとすれば、年6パーセントのリターンとなり、あまり価値があるとは言えないかもしれない。ここでその良し悪しを判断するのは早計だ。なぜそうなのかはこの先を読めばわかる。

さらに、この章で私が説明しているやり方をすれば、実際に物理的に物件を検査しなくても物件の価値を評価することが可能になる。いま聞いたとおりだ。私たちがオファーを出すときは、評価を終えてオファーを出してから現地を訪れるケースが全体の95パーセント以上を占める。この時点で売主から得られない情報を、物件を見に行ったからといってどうして得ることができるだろうか。会社が検討している物件を1つ1つ私が自分で見て回っていたら、永久に現地調査をしていなければならず、実際に物件を買うひまはなくなってしまう。この段階では、物件に関して欠落している情報の穴を埋める作業はチームにまかせている。

ちょうどいい例がある。つい先週私たちは、アリゾナ州グレンデールにある総戸数172戸のアパートについてエスクロー[第三者預託制度]の手続きを開始した。数字を洗っている聞に、チームメンバーの1人に物件を見に行ってもらった。交渉は3週間ほど続き、オファーの価格についてやりとりをした。私たちが評価に使った数字はすべて、売主と物件を売り出したブローカーからもらったものだった。誤解しないでほしい。私は、すべての部屋を見て歩き、徹底的な検査を行い、数字を検証しないままに物件を買うことはない。ただ、自分でそれをする代わりに、チームメンバーに多くの予備調査をしてもらっているだげだ。